Yokoyama and Associates

ARCHITECTURE and LANDSCAPE DESIGN



カフェ・ドゥードゥー便り

No.72 2011年9月号

 団地の夏祭りがありました。何年ぶりでしょう。かつてはあちこちの団地でで開かれていた夏祭り、今ではすっかり少なくなりました。みんな年をとり、担い手が少なくなったからでしょうか。驚いたのは小さな子供たちがとても多かったこと、最近の子供たちは、あまり外で遊ばないし、群れて遊ぶことも少ないから、普段見ることが少ないのですが、こんなにたくさんの子供たちがいるとは驚きでした。そしてもうひとつ、その子供たちがこのお祭りをとても喜んでいる風だったことです。IT技術を駆使した様々な面白い遊びに囲まれているのに、射的や輪投げに熱く興じている姿に、メディアが伝える子供たちの姿との落差に驚きました。
 一時、この町に育って、進学や就職で今はよその町にいて、久しぶりに戻りましたと言う青年たちによく出会いました。その青年たちのほとんどが、やっぱりこの町、いいですねと、言っていたのが印象的でした。今回参加してくれた小さな子供たちは、そんな風に言っていた世代の子供たち、ニュータウン第3世代と言うことでしょうか。
 ある理事の方が言っていました、かつて団地の駐車場は、夏休みに里帰りに出かける車が多く、ガラガラになったそうです。今はその逆、夏休みにこの町に戻る人たちの車で一杯だそうです。
 40年近く前『新しいふるさと』と呼べる町をつくると言っていた当時の住宅公団の目指していたことが、今現実のものとなってきているようです。
 この町が好きだと言っていた第2世代、このまちのお祭りを楽しむ第3世代、よくも悪くもこのような町は、もうつくれないのでしょう。次世代にこの町のいいところを引き継ぐのが第1世代の役割だと思った夏祭りでした。

 9月の予定
9月17日(土)おちあい・つるまきガーデンクラブ活動日
9月24日(土)住いや庭リフォーム相談の日

 9月のお楽しみ
第2回ジャズフェスティバルイン鶴牧東公園
日時:9月17日(土)16〜20時 
場所:鶴牧東公園既設ステージ
ことし2回目の市民による手作りフェスティバル。なぜか鶴牧東公園のお山はジャズが似合います、缶ビールを持って集合。

第20回トムハウス祭り
日時:10月1日(土)〜2日(日)10時〜15時30分
場所:トムハウス
ことしはトムハウス20周年です。カフェドゥドゥも参加します。ハーブを使ったお菓子、飲み物、多摩ニュータウン絵葉書の販売、あしたやみどりさんのフェアトレード品、段ボールコンポストの販売などを行います。

 地域のガーデンクラブから
 この間の台風で、緑のカーテンもぼろぼろになってしまいました。それでも、この夏とてもがんばった緑のカーテンでした。これまでもさまざまなガーデニングブームがありました。でも今回のそれはこれまでとはちょっと違っていました。涼しい風景をつくり、食べておいしく、そして、ちょっとだけ地球の環境にも寄与してくれました。そう言う意味で、これまでのガーデニングとはひと味違う、新しい時代の緑の風景なのかもしれません。

一緒に活動して頂ける仲間を募集中です。(マロニエ径の会、おちあい・つるまきガーデンクラブhttp://gardenclub.exblog.jp/

 住まいと庭
ここのところ、福祉のお仕事をされる方達のお店作りのお手伝いをしています。障害を持つ人と持たない人が共に働く就労の場です。あるいは介護が必要な方のおうちにお医者さんと一緒に出かけて、住み続けられるリフォームについてのご相談を受けることが多くなってきました。障がいのある人も、病気の人も、健康な人も、高齢になっても、それぞれが別々に暮らすのではなく、身近な環境をなるべく使い勝手よく少しづつ手直しして、長く一緒に住み続けられる町になりつつあるようです。
 住いや庭についての相談会(無料)、今月は永山フェスティバルの「省エネサポートデスク」【おうちを元気にからだを元気に】コーナーに出張します。
日時:9月24日(土)13時〜15時(永山フェスティバル開催中)
場所:ベルブ永山3階「省エネサポートデスク」
申込み:鶴牧商店街/横山環境計画事務所 tel042-374-6475

第14回永山フェスティバル
多摩市市制施行40周年記念事業)
日時:9月23日(金曜・祝日)〜25日(日曜)、午前10時〜午後5時
場所:ベルブ永山・グリナード永山・永山北公園
ベルブ館内の催し物、野外ステージでの市民コンサート、ベルブホールのコンサート・朗読劇、模擬店、フリーマーケットなど盛り沢山です。主催:永山フェスティバル実行委員会(グリナード永山・市民団体等・永山公民館)
 街の絵葉書から 第38回「エステート鶴牧4・5夏祭り

久しぶりに復活した団地のお祭り。たくさんのニュータウン第3世代の姿が嬉しかったです

多摩ニュータウンの風景を描いたまちの絵葉書をつくっています。カフェ・ドゥードゥーあるいは多摩センター駅バスターミナル前の福祉ショップ゚「絆」で販売しています。トムハウス祭りでも販売します。(1枚100円)

 今月のセミナー

第70回 たま・まちせん木曜サロン
日時:9月22(木) 19時〜21時
場所:すくらんぶる〜む(諏訪商店街)
206-0024東京都多摩市諏訪5-6-3-102
電話: 042-337-5609
講師:上野淳(うえのじゅん)先生(首都大学東京副学長・大学院教授)
テーマ:東日本大震災:避難所となった学校とその地域社会に対して果たした役割
東日本大震災では多くの学校が津波被災を受けましたが、難を免れた学校は避難所として機能してきました。上野先生は、首都大学東京の先生や学生さんたちとともに、これらの避難所となっている学校の現地調査を行ってこられました。今回はその調査を踏まえ、街全体が壊滅的な被災をした、南三陸町,気仙沼市,陸前高田市の学校を中心として、その地域社会に対して果たした役割についてお話を伺います。
参加費(懇親会含む):会員1000円(学生会員500円)
非会員1500円(一般学生1000円)

第3回 まちせん市民講座
私たちの終の住処を考える〜大震災を契機に暮し方を見直そう〜
日時:9月17日(土)午後1時半〜4時半 定員50名
会場:永山公民館集会室(ベルブ永山4階)
費用:資料代として300円程度
主催:NPO多摩ニュータウン・まちづくり専門家会議
協力:NPO法人 外断熱推進会議
講師:田中 辰明氏(お茶の水女子大学名誉教授)、
改正 総一郎氏(東邦レオ株式会社 建築事業部 外断熱部 部長)
内容:「健康な住まい方とは」
 結露などによるカビ・ダニの発生や、室内の急激な温度変化(ヒートショック)による健康被害を回避することで、身体に優しく健康的な住まい環境を獲得する秘訣を学びます。
第1部:改正総一郎氏、「住まいと健康について」(仮題)
第2部:田中辰明氏、「健康な住まい方とは〜結露・カビからの解放」(仮題)
申込・問合せ:NPOたま・まちせん事務局へ
電話:042(337)5609


 まちのご隠居のつぶやき 南野 狐
脱「やらせ・根まわし」

 
各電力会社における「やらせメール」は九電ばかりか北電にいたるまで、数年も前から組織ぐるみで実施され、さらには行政が黙認したことまでが明るみに出された。国策企業における政官業の癒着であり国民を欺いた実態が暴露されてしまった。安全ではなかった核の使用に当たっては徹底的な国民的議論を巻き起こす必要があったし、論議の材料となるエネルギー問題に関する徹底的な情報の開示こそが政官業の務めではなかったろうか。
 かつて、教育基本法改正に当たっても、確かな情報公開もないまま暗躍したのが旧文部省や教育委員会が各地でのタウンミーティングでの「やらせ」であった。やらせ偽装民主主義が明るみに出された結果は政治不信、教育不信をさえ招いた。やらせは国だけにとどまらない。自治体では市民検討会議と称するなど更に手が込んでいた、お為ごかしの市民会議を発足させ、そして職員が提言書案までつくる。形式的には根まわし総会で一見民主的な了承手続きを済ます。納税者を馬鹿にしたいつもの風景。いずれの場合もごく少数者の愚民思想と私欲に汚染された焦りとしか言いようがない。
 施策を推し進めるに当たって、形だけを民主的方法でカモフラージュした官僚修辞学であり、品格のかけらもない時代錯誤のお上意識であり、反市民主権意織である。お茶の間メディアも政治屋さんも、こんな重要なことも暴けなかった罪は大きい。
 せめて、おらが市では「民でやれることは民で」の時代。市民活動分野での聖域なき住民への解放とヨーロッパ各国で実施されている「重要な課題についての住民投票の尊重」を範とした直接民主主義にウエイトをおいた制度設計と実行に踏み切るべきではなかろうか。
 市民と良識職員の多くは「やらせ、根まわし」を見抜くし軽蔑し笑っている。    了